プロローグ
自分が住む町は山々に囲まれている少し…いやかなり閉塞感のある感じだ。それでも、大型ショッピングモールだったり、映画館があったりするため、閉塞感を感じることは少なかった。
自分はそんな街に唯一ある高校に通っている。そこでとある次週課題を出された。それも「何かしら班ごとに調べて発表する」というものだ。かなり自由度がある課題のためどうすればいいのかわからなかったが、放課後教室にて班員4人のうちの1人、情報通の四条時雨は唐突にこう切り出した。
「辺鄙な町なのになんで商業施設が充実しているのかを調べよう。」
彼なりに何か知りたいことがあるのだろうが、なんでそれなのかはよくわからなかった。多分、ただ単に好奇心からなるものだと思うが。
そこに活発だけしか能がない鈴木薫は文句を言った。
「そんな図書館で黙々とやりそうなのは嫌。ふぃーるどわーくってやつをしたいわ。そっちの2人はそういったわくわくしたのはないの。」
急に話を振ってきたなと困惑したが、どうせやるならば確かに楽しい方がいい。でもどうしたものかと悩んでいると、うつむいていた小柄な女の子最後の1人の長瀬小雪、こう言っていたのが聞こえた。
「七不思議……真偽…確かめる。」
心が躍るような提案をするなんてと思って自分は小雪の方を見た。自分だけでなく薫も同じようなこと思ったらしい、小雪の方を見るだけでなく手を握っていた。
「ナイスよ、小雪。それならば探検できるじゃない。時雨も問題ないよね。」
「あぁ、問題はないと思うよ。」
驚いたことに時雨は乗る気であった。何か惹かれるものでもあっただろうか。それよりも。
「自分が知らないだけなのかもしれないけど、七不思議って何があるんだ。」
「僕はそういうものがあると聞いたことがあるだけで詳しくは知らないね。」
「ふ~ん。なら調べるところからしないといけないのか。薫もそれでいいか。」
「えぇ、調べるのはめんどくさいけどそれでいいわ。なんたってそれを終えた後にあるドキドキがたまらないもの。」
薫は目を輝かせていた。それを見た時雨はめんどくさそうにため息をつき、小雪はうつむいたままだったが、自分から提案していたのだろうし多分反対ではないのだろう。
「じゃあ、明日の放課後にそれぞれ調べたことでも共有しておこうか。」
と早く帰りたかったので切り上げた。
家に帰り、パソコンを立ち上げて調べていくと以下のことがわかった。
・深夜の高校の体育館倉庫に出入りするよくわからない影。
・釣り堀が毎月一.二回程度荒らされる。
・アーケード街にたまに現れる謎の本屋。
・山に眠る埋蔵金。
七個には至らなかったが、まぁこれでいいだろう。ほかにもいろいろあったが、信ぴょう性がなさそうなものや解決してしまっているものは省いた。何か面倒くさそうなことにならなければよいが。